このキーウィアパートメントを設計したのは、道家洋建築設計事務所という、古くから懇意にして頂いていた設計事務所です。

知り合いだったこともあり、最初の大枠決めから随分長い時間を費やし、二転三転、紆余曲折するベース案づくりから、最終的に形になるまで、本当によくぞ付き合ってくれたものだと思います。

設計の仕事というのは、デザイン自体ももちろん大事なのですが、監理も同じぐらい大事で、気に入った建築家に設計をお願いしたとして、やはりそれは工事監理があってはじめて形になるものだし、デザインだけ頂いて、あとはこっちでやるから的な、設計料を安くすまそうとするやり方では、決してそのデザインは実現できない。大事なことは、施工会社にちゃんとチェックを入れる、工事監理の仕事だと思いました。

ちなみによく「施工管理」の「管理」と「工事監理」の「監理」が混同されやすいのですが、施工管理は現場監督が行うもので、材料の発注から工程表の作成、職人作業の調整・段取り、建物の品質確保のための指示・指導というものだそうです。

一方工事監理は、建築士法第2条8項に、「その者の責任において、工事と設計図書と照合し、設計図書通りに実施されているかを確認すること」となっており、設計図面通りにちゃんと建物ができているかチェックする、建築士の業務の一つということです。

とにかく建築は決めることも多岐にわたり、職人さんも多業種で、それぞれやりやすい仕事の収まりがあるので、施工会社だけに任せておいたら、どんどん現場主体で仕事が進んでいってしまいます。図面はこうなっているけれどこの方がやり易かったから、などど言う現場の声に、びしっとダメ出しする監理の仕事はとても重要です。

よく設計士が施工会社と一体になっている形態をみかけますが、フォーマット化され、職人全てがフォーマットを熟知しているもの以外は、施工現場で何か起こったとしても、施主の知らない範疇になっているのではと思います。

建築士の設計施工監理費は通常建築費の10%〜20%、それを高いと思って省こうとするのは決して安く済んだことにはならないと、今回しっかりと胸に刻みました。